二次相続に備えましょう

なかなか心配ごとが多い「二次相続」
その時が来ても揉めないような「一次相続」をするにはどうしたらいいのでしょうか。
心構えとして以下の2つがあります。
①分割しにくい財産は「⼀次相続」の段階で⼦が相続しておく。
②「配偶者が相続した財産」と「もとから配偶者の財産」を合わせて、遺⾔や⽣前贈与で⾏き先を決めておく。
⼆次相続で揉めた場合のコストは、 ⽣前対策を行った場合のコストを⼤きく上回ります。
さらに、二次相続で相続税が増えないよう、将来を見据えた一次相続をしておくことが重要です。では、着眼ポイントをちょっとだけ。
①専⾨家へ相談する
相続税を専⾨とする税理⼠に、 ⼆次相続のことも考えた遺産分割協議案を出してもらうのもおすすめです。配偶者がもともと持っている財産も税理⼠には伝えておくべきです。
②一次相続で、できるだけ多く子どもたちに分割する
二次相続で相続税の対象となる財産が少なくなるよう、一次相続の時にはできるだけ多くの財産を子どもが相続するようにします。もちろん、配偶者の生活を守るための財産は、配偶者に残す必要がありますので、今後の生活設計をしっかりと立てたうえで、遺産分割をしなれればなりません。
③配偶者は賃貸不動産を相続せず、⼦どもが相続する。
その理由は大きく2つです。
賃貸住宅、駐車場、株式、投資信託などの収益性の高い財産を配偶者が相続した場合、賃料や配当金などで資産額がふえ、二次相続の相続税が多くなってしまう可能性があります。また同じように、今後値上がりが予想される不動産なども、一次相続で子どもが相続するのがおすすめです。
これらの財産を⼦どもが相続すれば、相続後に⼊ってくる賃料などで⼆次相続の相続税を準備できるというメリットもあります。
④配偶者が財産を⼆次相続までに減らす。
配偶者が⼀次相続で現⾦や預貯⾦などを相続し、子どもや孫に暦年贈与を⾏ったり、子どもを受取人にして非課税枠内の生命保険に加入するなどの方法があります。
そうすることで相続財産を減らし、⼦どもは納税資⾦を貯めることが可能になります。
これらの方法は一次相続の際にも効果があるので、二段階に活用を検討してはいかがでしょうか。
⑤配偶者居住権を設定する
配偶者居住権は、自宅不動産を子どもが相続し、親である配偶者が住み続ける権利です。配偶者が死亡すると権利は消滅します。
裏を返せば「配偶者が死亡するまで消滅しない権利」なので、一度設定されると「自由の利かない不動産」という負担が付き、相続税評価額を下げることができます。
ただし、親の介護費用などのために自宅を売却をしたくても、配偶者居住権が価格に影響を与えてしまい、本来の価格よりも金額を下げざるを得ませんし、居住権のある不動産の買手はまずいないという状況になります。そのため、配偶者居住権を使う場合は、そのメリット・デメリットをよくご理解しておく必要があります。