その①からの続き

「妹たちから話を聞きました」

最初の来店から約一週間、メガネ姿のダンディーな男性がお店に来ました。落ち着いた雰囲気漂う次男さん。新キャラ登場です。

次男さんが言うには、

・兄弟姉妹から財産を受け取る方は「長男さん」

・妹様（長女さん＆次女さん）二人の意見に、次男さんと遠方に住む三女さんも賛成している。

・三男さんは亡くなっており、代襲相続した甥さん・姪さんも同意した。

・長男さんへの財産の譲り渡し方法は、相続人全員が暦年贈与を複数回行う予定。

・実家の売却に関する窓口は次男さんに一本化する。

・実家の売却と長男さんへの贈与までの色々な準備を弊社に手伝って欲しい。

ずいぶん意見がまとめられました。約一週間の間にご家族でしっかり話をされたようです。

ただ、ここで気がかりがありました。

財産を受け取る長男さんの気持ちです。

実家を売却すれば、お金は受け取れるけれど、長男さんは住み慣れた家を離れなければなりません。初回のお話からずっと長男さんの希望がわからないのは不安です。

「お兄様（長男さん）は家を住み替えることになりますが、ご納得されていますか？」

この質問の意図は、次男さんに正しく伝えわったようです。

「兄は実家を売却することに同意していますが、納得はしていないようです」

この返答は腑に落ちました。長男さん「だんまり」の理由です。

長男さんに心から納得していただかないと、この相続計画は途中で頓挫する恐れがあります。まずは長男さんのお気持ちを聞かせていただかなければなりません。

その③に続きます。

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